S a c r i f i c e  /  サ ク リ フ ァ イ ス
プロローグ(1) ある隔たれた空間にて


 霧の中を彷徨うのには飽きた。
 凍りついた部屋の中で息を潜めるのも限界だ。

 男はゆっくりと目を開け、上体を起こした。
 彼は準備が整ってから『その時』が来るまで、凍りついた箱の中で眠っていた。

 一人ひとりを起こしていく。
 業火の中で蹲る娘。
 焦土の棺に横たわる男。
 雷に撃たれている少女。
 何もない場所に浮かぶ少年。

「時は来た。――俺たちの、闘いの時だ」

 この闘いに降伏は許されない。
 たとえ自らが犠牲になろうとも、闘い続けなければならない。

 限りある生を全うするために。
 いとしい人々が健やかに生きられるように。


「行こう」

 


× or 

 

 

 

 

 

 

広告 [PR] 紅葉めぐり わけあり商品 ヒートテック 無料レンタルサーバー ブログ blog